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新刊『増補 戦う姫、働く少女 』河野 真太郎著

¥990 税込

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新時代の批評の旗手がポップカルチャーから読みとく現代社会の問題と、連帯という希望
ジブリの少女やエヴァの女性達、ディズニーの姫(プリンセス)はなにと戦ったのか?
分断を乗り越えるための鍵はここにある──
「連帯とは他者の願望を自分の願望として受け止めることである。この他者は、現在現実に生きている他者である必要はない」(「終章」より)

ポップカルチャーには現代女性の働きかたが反映されている――。異性愛と家父長制を否定した『アナと雪の女王』や、アイデンティティの労働がいかなるものかを示した『魔女の宅急便』、「無賃家事労働」の問題をラブコメにおとしこんだドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』など、数々の映画やドラマを縦横無尽、クリアに論じた文芸批評が大幅増補・改訂して文庫化。

【目次】
はじめに
第一章 『アナと雪の女王』におけるポストフェミニズムと労働
革命的フェミニスト・テクストとしての『アナと雪の女王』
二人のポストフェミニストの肖像
トップ・ガールズとブリジットたちの和解?
シェリル・サンドバーグは存在しない──グローバル資本主義とその本源的蓄積
労働なき世界と「愛」の共同体
〔補論〕日本のポストフェミニズムと『アナと雪の女王2』

第二章 無縁な者たちの共同体──『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の隠蔽
承認と再分配のジレンマ
『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の再生産
ポスト・ビルドゥングスロマンと成長物語の変遷
『ハリー・ポッター』、『わたしを離さないで』と多文化主義
無縁な者たちの共同体
コーダ──現代版『ライ麦畑でつかまえて』としての『僕だけがいない街』
〔補論〕インターセクショナリティと究極の包摂社会

第三章『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニズムの夢を見たか?──アイデンティティの労働からケア労働へ
フェイスブックという労働
『魔女の宅急便』のポストフェミニズム
『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニスト・テクストか?
『逃げるは恥だが役に立つ』?──依存労働の有償化、特区、家事の外注化
〔補論〕亡霊としての第三波フェミニズムとケア

第四章 母のいないシャカイのユートピア──『新世紀エヴァンゲリオン』から『インターステラー』へ
スーパー家政婦、あらわる
『インターステラー』の母はなぜすでに死んでいるのか?
『インターステラー』の元ネタは『コンタクト』なのか?
『コンタクト』と新自由主義のシャカイ
セカイ系としての『インターステラー』
『エヴァ』とナウシカのポストフェミニズム
コーダ1 AIの文学史の可能性──『ひるね姫』と『エクス・マキナ』
コーダ2 矛盾の回帰?──『ゴーン・ガール』と『WOMBS』
〔補論〕シャカイから遠く離れて

第五章 『かぐや姫の物語』、第二の自然、「生きねば」の新自由主義
「生きろ/生きねば」の新自由主義
『風の谷のナウシカ』における技術と自然の脱構築
技術と自然の脱構築と労働の隠蔽
『風の谷のナウシカ』、『寄港地のない船』、(ポスト)冷戦の物語
罪なき罰と箱庭
〔補論〕ナウシカの時代と人新世

終章 ポスト新自由主義へ
没落系ポストフェミニストたち
主婦が勝ち組?──ハウスワイフ2・0から『逃げ恥』へ
セレブ主婦の蜃気楼
貧困女子の奮起
エイミーたちの願いとジンジャーたちの連帯

おわりに
文庫版へのあとがき
参考文献

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