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新刊『きれいはいまもゆれている』(谷本奈穂・飯塚理恵 編著)
¥3,190
誰のため何のために美しくなるのか 整形し、メイクし、脱毛し、アンチエイジング治療を受ける。 ヴァーチャル空間やSNSで自分の理想形に加工した自分像を作り出す。 なぜこれほどに「美しくなること」を追求するのか。 現代社会における美容実践を通して、その奥にある社会力学を捉える。 Chapter 1 美容実践を考えるためのフェミニズム・ジェンダー論 ―美容実践はどのように論じられてきたか― はじめに 1 フェミニズムの視点―抑圧・規律実践・主体性― 2 新自由主義と美容実践 3 インターセクショナリティ 4 感情と美容実践 おわりに Chapter 2 ルッキズムが持つ多様性 ―私たちはルッキズムという言葉で何を問題にしているのか― はじめに 1 ルッキズムという語とその議論 2 ルッキズムの定義に関する四つの説 3 四つの説の関係性 おわりに―あいまいな「ルッキズム」― Chaper 3 アンチエイジングという美容実践 ―治療をめぐる論争― はじめに 1 アンチエイジングという美容実践 2 エンハンスメントとしての美容実践 3 美容実践の医療化と実践的治療概念 4 トランスヒューマニズム おわりに Column 1 リアルとバーチャルの境界線―外見と対人関係の未来― Column 2 美容整形に関するYouTubeの分析 Chapter 4 美容職女性は自らの「美」の実践/提供をいかに捉えるのか ―新自由主義における「美」の規範を補助線として― はじめに 1 美容職従事者はいかに論じられてきたか 2 新自由主義における美の規範 3 調査対象者と調査概要 4 自らの美容実践に関する語り 5 美容実践の提供に対する解釈 6 美容職従事者の解釈から見えてくるもの Chapter 5 男性の美容整形 はじめに―身体と社会とジェンダー― 1 美容整形と男性 2 男性の美容整形を探る―分析と考察― おわりに―美容整形をする男性の動機― Chapter 6 美しい軍人のつくられ方 ―義務兵役と韓国男性の美容実践― はじめに―韓国男性の美容実践とその影響力― 1 男性美容の現在 2 美しい軍人 3 軍人向け化粧品広告の分析 4 化粧品広告の語られ方 おわりに―美しい軍人のつくられ方― Column 3 メンズメイクはジェンダーレスなのか―男性化粧の広がりと新しい男らしさ― Column 4 体毛と脱毛の社会的意味を捉える
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新刊『トランスジェンダーの生活史』(宮田りりぃ著)
¥2,750
性別移行し生きる道を模索し続ける人々の生活史 女(らしさ)/男(らしさ)という二元的かつ固定的な性のあり様にもとづく社会の様相に変革をもたらす当事者たちの可能性とは 日本における性同一性障害にもとづく社会問題化の様相およびその背景について明らかにし、また、ジェンダー形成の観点から、当事者たちが直面している困難が生じるプロセスや、その背後にある社会構造の問題を明らかにする。
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新刊『涙の箱』(ハン・ガン 作 / きむふな 訳)
¥1,650
SOLD OUT
ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話 この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して 昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。 ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。 「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。 幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。 2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。
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新刊『アナキズムQ&A ——やっちゃう、やっちゃえ、やっちゃった』 栗原康 著
¥1,980
アナキズムとは何にも支配されないこと。QさんAさんの軽快なトークで、人を縛る社会の仕組みから自由になる! ブレイディみかこ氏、角幡唯介氏推薦。 ビギナーからマニアまで。 QさんAさんの軽快なトークで、自分の中の固定観念から解放され、 人を縛る社会の仕組みから逃れ、統治から自由に生きる! === ブレイディみかこ氏、角幡唯介氏、絶賛! 「QさんAさんのウィットと叡智に満ちたアナキズム漫談。違うから、深まるんだ。 友/敵の垣根を超える方法は、アナキストが知っている」ブレイディみかこ(ライター) 「あらゆる軛(くびき)からのがれ内なる生の躍動に身をまかせるのがアナキズムなら、私もアナキストである」角幡唯介(探検家) === ・税金、政府、議会制民主主義、警察、監獄、統治。どうして全部いらないか?(第1章) ・アナキストは「労働からの自由」を求め、資本主義に浸かった「魂」を自分たちの手に取り戻す。(第2章) ・直接行動とは? 権力を取らずに世界を変えるには?(第3章) ・別の世界は存在しない、別の生き方があるだけ。「他律」も「自律」もなく生きる(第4章)
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新刊『SISTER“FOOT”EMPATHY』(ブレイディ みかこ著)
¥1,760
シスターフッドがポリティカルになりすぎると、それはシスターたちのあいだに分断や対立をもたらすことにもなりかねない。その一方で、シスターフッドが政治に無関心になりすぎると、互いの涙を拭い合うばかりで、「元気を出して明日からまた同じ日常を頑張ろう」という激励会になり、つらい日常を変えていこうという動きに発展しない。 ーー本書「はじめに」より 2022年から雑誌『SPUR』に連載されているコラムを新たに加筆修正。コロナ禍以降の社会の動きを鋭く見つめ、これからの世界とわたしたちを考えるための、エンパワメント・エッセイ集。 ◎アイスランド発「ウィメンズ・ストライキ」の“共謀”に学ぼう ◎シスターフッドのドレスコードはむしろ「差異万歳!」 ◎完璧じゃないわたしたちでいい ◎焼き芋とドーナツ。食べ物から考える女性の労働環境 ◎古い定説を覆すママアスリートの存在 ……etc. 無駄に分断されず、共に地べたに足をつけてつながる。前に進むための力が湧く39編を収録!
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新刊『京都の人ってなんであんな感じなんですか?』横道誠 著
¥924
住んで25年でも「よそさん」感が拭えない著者が、街を歩きながら歴史・文化・人間関係を笑いと共に考察。核心に迫る異色の京都本。
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新刊『世界自炊紀行』山口祐加 著
¥2,750
自炊料理家の著者の元に寄せられる「献立作りが苦痛」「いつも同じ料理ばかりでマンネリに」「スーパーで途方にくれる」という自炊に悩める人々の声。これって日本だけ?「世界の自炊」はどうなっているんだろう? と思った著者は飛行機に飛び乗っていた――。 2024年の間に全世界12か国、38家庭を取材。それぞれ各国から2家庭を厳選し、合計24組の自炊事情を12種の自炊レシピと共に紹介する。同時代を生きる人々、それぞれの「自炊する意味」とは。
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新刊『シン・アナキズム 世直し思想家列伝』(重田 園江著)
¥2,420
未来を拓く暮らしと思想 ウェブマガジン「本がひらく」で好評連載した新鮮なアナキズム論を単行本化! 歯切れよく小気味よい文体で多くのファンを持つ著者が「アナキズム」のイメージを大転換! ジェイン・ジェイコブズ、ヴァンダナ・シヴァからポランニー、おなじみグレーバー、そして「ねこ&森政稔」まで、独自の視点で選ばれた思想家たちを驚くほどわかりやすく解説。親しみやすい語り口で、読めば読むほど「今、何がおかしいのか」「どう立ち向かうべきか」が分かって力が湧いてくる、痛快きわまりない思想史。
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新刊『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』
¥4,950
ガザの家庭料理に秘められたいくつもの物語 「人間にとって食とは、故郷であり、歴史であり、抵抗である」(現代アラブ文学/パレスチナ問題研究者・岡 真理) ガザの料理人、農家、商人たちの仕事ぶりを切り取った美しい写真と、ガザの人々の料理とレシピ、伝統、家族についてがわかる本体338ページ。
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新刊『私のからだは私のもの』(平井美津子著)
¥2,200
私たちは性暴力被害者の声を聴いてきたのだろうか? 被害者へのバッシング、性売買の歴史、そして現代の性暴力の実態をえぐる。
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新刊『ドキュメンタリーで知るせかい』(宇多丸・伴野智著)
¥3,080
世界の時事に強くなれる ドキュメンタリー作品31本を語り尽くす! ガザの虐殺、クルド人弾圧、SDGsの現実、中国の急成長と葛藤、難民増加…… 目にし、耳にしながらも、「情報」として聞き流してしまいがちな日々のニュース。 優れたドキュメンタリーには、それらのニュースを立体的な「生身の声」として実感させる力がある。 他人事だと思っていた社会問題が、身近な、血の通った「自分事」に思えてくる。 「知る義務」がある。すでに我々は「当事者」だ。
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新刊『アナーキーのこと』(フランシス・デュピュイ=デリ トマ・デリ著、片岡大右訳)
¥2,970
「民主主義」と同義語だった? 「アナキズム」とは別物? デヴィッド・グレーバーも論拠とする政治学者が父親と語り明かす、アナーキーの全容。いま、アナーキーについて考えるための最良の基本書。
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新刊『新版 血、パン、詩。』(アドリエンヌ・リッチ 著、大島かおり 訳)
¥3,080
創立65周年記念 アドリエンヌ・リッチ三部作、 待望の復刊! 1989~1990年にかけて小社より刊行されたアドリエンヌ・リッチ著『女から生まれる』『噓、秘密、沈黙。』『血、パン、詩。』 復刊を望む声が多く寄せられていた三部作をこの度、新たに解説を加え、新装版で復刊いたします。 今なお古びることがないリッチの力強い論考をこの機会に。 女性を無力化する 一つの政治的制度としての異性愛―― 女たちは何を強いられ、何を求めてきたのか。 「すべての女」の連帯は、どのように可能か。 女は、女であることによってのみ抑圧されるのではない。 おどろくべき高まりとひろがりをみせた70年代アメリカのフェミニズム。しかしそのなかでなお、黒人および少数民族の女性とレズビアンたちは、人種主義と異性愛制度のもとで沈黙を強いられてきた。アイデンティティをつきつめ、「私」と「あなた」をへだてているものと両者が共有しているものをひとつひとつ吟味しながら、新たなフェミニズムへの道を探る。シャープでしなやかな思考に貫かれた79-85年論集。社会によって事実上強制されている異性愛に対して抵抗することの意味を論じた「強制的異性愛とレズビアン存在」を所載。 解説:イリナ・グリゴレ 「あなた、ユダヤ人でしょう?」 十八年間の同化訓練がたちどころに反射作用をひきおこして、私は首をふり、彼女を拒み、「いいえ」と言っていた。ほんとうは何に対して「いいえ」と言っていたのだろう?(本文より)
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新刊『学校の「男性性」を問う』
¥1,980
学校は男女平等に見えて、実際には男性を標準とし、「良いこと、目指すべきこと」とされる基準の多くが「男性性」と結びついている。しかし教師はそれを意識することなく、当たり前に受け入れていないだろうか。学校で日々行っていることの多くが日本のジェンダー不平等の大きな原因なのかもしれない。学校の日常をジェンダーの視点から問い直す。
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新刊『私たちに名刺がないだけで仕事してこなかったわけじゃない ~韓国、女性たちの労働生活史』(京郷新聞ジェンダー企画班著、すんみ ・尹怡景訳)
¥2,420
韓国大手新聞社「京郷新聞社」で特別に編成されたジェンダー企画班による、偉大すぎる女性たちの記録 激動の時代、国を影で支えてきたのは「正社員」には数えられない無数の女性たちだった――。 韓国社会を支えてきた50~70代の女性たちへのインタビュー集。 Contents Prologue ありふれた声を求めて WAY TO WORK 出勤一日目 ほら見ろ、これが女性たちの人生だぞ。 悪いことが波のように押し寄せてきたけれど、私は逃げなかった Insight 1954年、32万人の娘たちが生まれた WAY TO WORK 出勤二日目 私たちが働いていないだと? ヒジャさんを表現するにはあまりにも小さい「家の人」という呼び名 字を書く人、イン・ファジョン Insight ある日突然彼女たちの労働が消えたとしたら? WAY TO WORK 出勤三日目 男尊女卑からフェミニズムまで 娘たちに伝えるスンジャさんの本音 Insight 変わったものと変わらないもの Insight 娘たちは母親の労働から女性の労働を読み取った WAY TO WORK 出勤四日目 ここは都会と違うんです グァンウォルさんが10年間婦人会長を務めてきた理由 この身で生まれてこの鉱山の鉱員となり Insight 農村の時間は、30年遅れて流れる WAY TO WORK 出勤五日目 今日も出勤する女性たち Insight 女性たちの将来の夢 アンナさんの労働は、愛になった テスンさんは新しい70代を準備している 私は自分自身が名刺です。 ラップと月曜日が好きなウンスクさん Epilogue 彼女たち一人一人が、一冊の本だった
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新刊『斜め論 ——空間の病理学』(松本卓也 著)
¥2,420
ケアは、どうひらかれたのか? ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延びと当事者の時代」へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。垂直から水平、そして斜めへ。著者の新たな代表作。
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新刊『昭和 女たちの食随筆』(木村衣有子 編)
¥1,100
「昭和の女性が言葉で残した食の記録」という観点から、時代を映し出す食の風景を、二十七人の味わい豊かな文章で、執筆年代順に辿る。文庫オリジナル。
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新刊『ガスライティングからの回復 心理的支配から抜け出し、自分を取り戻すための7つのステップ』デボラ・ヴィナール 著 上田勢子 訳
¥2,420
他人の言葉や態度によって、自分の感情や記憶、感覚までもが揺らぎ、「自分が悪いのかもしれない」と思い込まされてしまう――そんな操作的な心理的虐待が「ガスライティング」です。 本書は、心理学博士でありトラウマケアの臨床経験も豊富なセラピストの著者が、そのメカニズムを丁寧に解き明かし、支配的な関係から抜け出し、自己肯定感や信頼、そして健全な人間関係を取り戻すための実践的なステップを示した回復のためのガイドとなります。 DBT(弁証法的行動療法)、EMDR(眼球運動による脱感作法)、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)など、科学的根拠に基づいた心理療法を用い、読者が少しずつ自分の感情に触れなおし、境界線を引き、再び「自分の感覚」を信じられるようになるまでを、段階的に導いていきます。恋人や家族、職場、さらには宗教や政治的な場面における支配関係まで、多様な事例とともに書かれた本書は、言葉にしづらい混乱や孤立感に悩まされてきた人にとって、「自分を取り戻す」ための力強い支えとなるでしょう。
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新刊『ルッキズムってなんだろう? 』(西倉実季著)
¥1,760
ここ数年、何かと話題になっている「ルッキズム」。しかし、そもそも「ルッキズム」とはどういう意味で、どんなことを指すのでしょうか。また、「ルッキズム」は何がどのように問題なのでしょうか。中高生だけではなく、大人にいたるまで、多くの人の心をモヤモヤさせる「ルッキズム」。本書では、「ルッキズム」に関する論点を、社会学を専門とする著者が、学校の校則やミスコン、友だちとの会話など、身近な事例をもとにしながらわかりやすく解説します。読者が社会の中で外見をめぐるさまざまな問題に遭遇した際に、「ルッキズム」やそれにまつわるさまざまな問題を俯瞰的に考えられるようになるための“きっかけ”をもたらす1冊です。
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新刊『部落フェミニズム』熊本理抄 編著
¥2,640
ないものとされてきた存在を可視化する、 部落女性9人による実践と思想。 婦人水平社100年の姉妹たちの歴史、レイシズムとしての部落差別、識字文集、聞き取り、自立生活運動、フェミニスト・カウンセリング、部落解放運動、在日朝鮮人運動、障害者運動、反差別運動、むらの「食」の記憶、地域・コミュニティ…… それぞれの経験を交差させながら掘り起こされる、生きのびるためのフェミニズム。 熊本理抄 編著、藤岡美恵子・宮前千雅子・福岡ともみ・石地かおる・のぴこ・瀬戸徐映里奈・坂東希・川﨑那恵 著
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新刊『出口 中絶のための1200kmの旅』B.キャロット 著 川野夏実 訳
¥2,750
SOLD OUT
〈自分の体を自分で決められない〉国から抜け出すため、姉妹は車を走らせた。 鳥飼茜(漫画家:『先生の白い嘘』『バッドベイビーは泣かない』)推薦‼ 「欲しいのは、女が自由に生きることを悪なんて言わせない世界」 綿密な調査と取材で制作期間に4年を費やし、 リプロダクティブ・ライツの現実を描いたグラフィック・ノベル、待望の翻訳。 【あらすじ】 ポーランドで小学校教諭をしているマグダは、望まぬ妊娠をしてしまう。しかし中絶が厳しく制限されているこの国では、誰かに相談することすら難しく、彼女は孤独の中で中絶方法を探し始める。 ネット掲示板を頼りに支援団体と連絡を取り始めるが、中絶薬はなかなか届かない。タイムリミットが迫るなか、ついにオランダの支援団体に頼ることを決意したマグダは、唯一の理解者である姉・オリビアと共に、1200kmの旅に出るのだった——。
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新本『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト著・鹿田昌美訳)
¥1,045
すべての女性に本書を手に取ってもらいたいと思う。――柚木麻子 ようやくここまで来たと感激しました。――大日向雅美 最初に見つけたときの興奮が消えない本です。――村井理子 世界各国で大反響を呼び、日本でも熱い絶賛を集めた話題の書が文庫化! もしも時間を巻き戻せたら、母になることを再び選びますか――? この問いに「ノー」と答えた23人の女性。彼女たちへのインタビューから明らかになったのは、社会が女性に強いるさまざまな義務と同調圧力、そして封じられてきた母親の苦悩や不安だった。子どもを愛している。それでも、母ではない人生を願う。存在しないものとされてきた思いを丁寧にすくいとり、各国で大反響を呼んだ一冊。 この商品に関する問題を報告す
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新本『アイヌもやもや』北原モコットゥナシ 著 田房永子 漫画
¥1,760
【漫画『ゴールデンカムイ』の監修にも参加、北原モコットゥナシがアイヌをとりまく「もやもや」を丁寧に解説】 日本の民族的マイノリティであるアイヌ。北海道が舞台のドラマでもその姿を目にすることはめったになく、教科書に載っているのも民族衣装を着た姿ばかり。非アイヌにとって、今を生きるアイヌの姿は、まるで厚い「もや」の向こう側にあるかのようです。アイヌは、どんなことに「もやもや」を感じているのか? その「もやもや」はどこから来るのか? 無知・無理解や差別の構造、そしてマイノリティとマジョリティの関係など、北原モコットゥナシが様々な視点から考察してゆきます。 【アイヌが感じている「もやもや」を、田房永子が漫画で表現】 母からの過干渉への葛藤や男性を中心に回る社会への疎外感を、鋭い視点でユーモアをもって描いてきた田房永子。本書では、アイヌが日常のなかで出会うさまざまな「もやもや」を田房氏の手によって漫画化しています。マジョリティに優位な社会の仕組みや、まわりからの無理解により、まるで虚を衝かれたような感覚に陥る瞬間など、漫画を通して感覚的に共有することができます。 <刊行に寄せて> 【北原モコットゥナシ 先生】 ※「シ」はアイヌ語小文字 「日本列島北部の先住民族」といわれるアイヌ。けれど、著者は東京都杉並区生まれのアイヌです。関東でも、北海道でも、アイヌのまわりには、いつも言葉にしにくいモヤモヤがついてまわり、視界を邪魔したり、息苦しくなったりすることも。モヤの正体を探っていくと、その向こうに、女性としてLGBTQ+として障がい者としてモヤを払う人々の姿がありました。そのお一人、田房永子 先生によって、けっして軽くはない、とらえにくいテーマを、魅力的で柔らかな絵柄とともにお伝えできることとなりました。 【田房永子 先生】 「アイヌもやもや」のお話をいただいた時は、「アイヌのことに完全に無知な私が携わっていいのだろうか」という不安がありました。 でも、北原モコットゥナシ先生の文章を読ませていただき、アイヌの人たちの視点を通して見る世界が、私が女性として生きてきた中で納得がいかなかったことと通じているところがあると知って、ぜひ漫画を描かせてもらいたいと思いました。 北原先生の文章はとても面白く分かりやすくて、無自覚だった自分のマジョリティの部分も刺激され、この社会の構造を、よりクリアに捉えることができるようになったと感じています。漫画では、東京で生まれ育ったアイヌの少年・颯太を主人公に、彼をとりまく人々を描きました。ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです。 目次 第1章 言い出しにくいんです 第2章 差別・ステレオタイプ 第3章 アイデンティティ わたしらしさとアイヌらしさ 第4章 マジョリティの優位性 北原モコットゥナシ × 田房永子 特別対談 これまでのできごと年表
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新刊『オックスフォードの女性哲学者たち -もうひとつの20世紀哲学史-』クレア・マックール、レイチェル・ワイズマン 著 木下頌子 訳
¥4,950
戦時下の大学で哲学に再び命を吹き込んだのは、4人の女性たちだった。 第二次世界大戦前夜、4人の女性たち——アンスコム、マードック、ミッジリー、フット——が大学で哲学を学びはじめる。男性の学者や学生が次々に召集されるなか、4人は、戦争の悲惨に直面しつつ、それでも客観的な道徳の基礎を求めて、新たな哲学のあり方を模索しつづけた。困難な問いに挑んだ女性たちの姿をいきいきと描き出した、圧巻の哲学ノンフィクション。解説=佐藤岳詩 2022年英国歴史作家協会(HWA)ノンフィクション賞受賞、2022年全米批評家協会賞最終候補、『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』など多数の有力紙誌で年間最優秀書籍に選出。 line2.gif [目次] 序文 登場人物 プロローグ トルーマン氏の学位 オックスフォード 一九五六年十月 第一章 試用期間中 オックスフォード 一九三八年十月~一九三九年九月 第二章 戦時中の学生生活 オックスフォード 一九三九年九月~一九四二年六月 第三章 混乱と苦難のとき ケンブリッジ&ロンドン 一九四二年六月~一九四五年八月 第四章 パークタウン オックスフォード、ブリュッセル、グラーツ、ケンブリッジ&チジック 一九四五年九月~一九四七年八月 第五章 みんなで一斉に「ノー」! オックスフォード&ケンブリッジ 一九四七年十月~一九四八年七月 第六章 生に立ち返れ オックスフォード、ケンブリッジ、ダブリン、ウィーン 一九四八年十月~一九五一年一月 第七章 形而上学的動物 ニューカッスル&オックスフォード 一九五〇年五月~一九五五年二月 エピローグ トルーマン氏の学位、再び オックスフォード 一九五六年五月 その後 謝辞 訳者謝辞 解説(佐藤岳詩) 原注 文献紹介 参考文献 図版クレジット 事項索引 人名索引