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  • 新刊『AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて』川野芽生 著

    ¥2,310

    この世はあまりに「恋愛中心」に回りすぎでは? 人と人との関係性のあり方は、ひとつひとつすべて違うのに。 小説家、歌人、文学研究者として活躍してきた著者が アロマンティック(無恋愛)/アセクシュアル(無性愛)として 生きてきた経験から考え抜き、怒りと祈りを込めて綴ったエッセイ。 「恋愛に興味がない」と言っても、周りは無理解だった。 「そんなはずはない」「まだ出会ってないだけ」「恋愛をすれば人生が変わる」。 心ない言葉を投げかけられ、恋愛の話を共通の話題であるかのように振られた。 ある時、「アセクシュアル」という言葉に出会い……。 社会の規範や同調圧力、「当たり前」を押しつけられて、 自由に生きられない、とモヤモヤしている人へ。 一人ではない。一人でもいい。「変えたい」と思ってもいい。 ここにある言葉がきっとあなたの助けになる。 大反響のウェブ連載「A is for Asexual」に、大量の書き下ろしを加え、待望の書籍化! 日本では前代未聞のアロマンティック/アセクシュアルの当事者によるエッセイ群。 恋愛は誰でもする自然なもの? 恋愛をする人だけが幸福なの? 友情より恋愛が「上」なのはなぜ? 圧倒的な思考力と筆力で、この社会に問う。 「みんなそうだから」と当たり前のように恋愛をしてきた人の 価値観を揺さぶり、大切な気づきをもたらす。いま必読の書。 アロマンティック(Aromantic)=どの性別の人にも恋愛感情が湧かない人。 アセクシュアル(Asexual)=どの性別の人とも性的なことをしたいという気持ちを持たない人。

  • 新刊『私の愛するロシア プーチン政権から忘れ去られた人びと』エレーナ・コスチュチェンコ 著 高柳聡子 訳

    ¥3,300

    沈黙を拒むジャーナリズム、私たちが本当に知るべきロシアの姿。 「エレーナの言う『国を愛する』は、従順や沈黙ではない。誰かを周縁に追いやることでもない。ファシズムと戦争がこの世界を飲み込んでしまう、その前に、彼女の警鐘がこの本を通して、日本社会にも響くように」 --安田菜津紀(Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト) 「プーチンはどこから来たのか? ロシア人とはどのような人びとか? 知りたければこの本を読みなさい」 --スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(『戦争は女の顔をしていない』著者、ノーベル文学賞作家) プーチン政権批判の最先鋒「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙に17年間つとめたジャーナリストによる、渾身のルポルタージュ。戦争にひた走るロシアにおいて、モスクワから遠く離れた地方の自動車道で〈身を売る〉女性たち、廃墟で暮らす未成年の子どもたち、国営の障害者施設、忘れられた公害、隠蔽された学校占拠事件、迫害される少数民族、性的少数者……政権下において周縁に追われ隠されてきた人びとの声を伝える記事と、真実を語る記者としてそしてLGBT活動家として戦ってきた自らの半生を交互に綴る。2024年プーシキンハウス図書賞受賞。 「私は、自分の母国への愛についての本を書いた。常に良い方向に、というわけではないにしても──この国が、その生においてどう変わっていくのか、この国が私たちをどう変えるのかを。ファシズムは何から生じるのか、どんなふうに育ち、開花するのか。本書に頻繁に登場する私の母もまた、私の母国だ。そして私自身も本書に登場する。私はもう、自分のルポルタージュの主人公たちの陰に隠れたりはしない」(本文より) 「政治の不手際が、中央からは死角となっている市井の人びとの生活の細部に綻びをもたらすこと、数年後に戦争を始める国で起きていたことが垣間見える気もする。大きな政治や大きな経済や軍の話をせずとも、私たちの生活がそれまでのように立ち行かなくなるとき、必要なものが手に入らなくなるとき、人間が粗野に扱われるようになるとき、私たちはその原因の責任の所在を明確にすべきなのだとあらためて教えられた思いだ。これは、今の日本に生きる私たちにとってもまったく他人事ではない」(高柳聡子「訳者あとがき」より)

  • 新刊『奔放な生、うつくしい実験』サイディヤ・ハートマン 著 榎本空 訳 ハーン小路恭子 翻訳協力・解説

    ¥3,960

    どうやって生きればいい?──みだらでわがまま、不逞で犯罪的、「問題」とされた彼女たちは、支配されることを拒み、うつくしいものに焦がれ、もうひとつの世界を夢見て生きのびようとした。アーカイヴの限界から照らし出す、名もなき奔放なものたちのうつくしい生の実験。全米批評家協会賞受賞、ブラック・フェミニズムの傑作。 【原著】Saidiya Hartman, Wayward Lives, Beautiful Experiments, 2019, published by W.W.Norton & Company (USA)and Serpent's Tail(UK)

  • 新刊『感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?』 恩蔵絢子 著

    ¥2,090

    AI時代、人間が持つ最大の能力は、感情になる! 感情を抑圧し“他者にあわせる“ストレスフルな現代から、“他者を理解する“感情的知性の未来へ。人間の可能性に話題の脳科学者が迫る。

  • 新刊『ことばに潜むジェンダー 学校・本・テレビ・日常のなかのもやもや』(遠藤織枝編著)

    ¥2,640

    お笑いで性犯罪をネタにして笑っていることが多々ありますが、性犯罪って笑えることなのでしょうか? “正しい”と思われる国語辞典ですが、「女」「男」の項目を読んだことがありますか? そのほかにも、漫画や歌、学校など、日常のなかでもやもやするジェンダーに関する“ことば”を探ります。

  • 新刊『増補改訂 アンチ・アクション ——日本戦後絵画と女性の画家』中嶋泉 著

    ¥1,870

    SOLD OUT

    日本と米国の間にある文化的政治的関係をくぐり抜け、極めて先進的な表現を行った草間彌生。消費と創造への人々の関心を作品の中で両立させた田中敦子。「捺す」という技法によって特殊な作者性を主張した福島秀子。アンフォルメルとアクション・ペインティングが席捲する1950-60年代の日本において、彼女たちはそれらにどう抵抗し、自らの作品を創り上げたか――。戦後の批評言説を再検証しながら、フェミニズム的概念「アンチ・アクション」を通して、もうひとつの美術史を記述する。サントリー学芸賞受賞作を改訂し、多田美波の実践から「ポスト・アクション」に迫った補論を付して文庫化!

  • 新刊『ジェンダー史入門』アントワネット・バートン 著 高内悠貴 訳

    ¥2,420

    フェミニズムやLGBTQ運動などからジェンダー史がいかに生み出され、奴隷制、資本主義、移民、帝国の歴史解釈をどのように変えてきたか。インターセクショナリティのインパクトにジェンダー史がどう向き合い変化してきたかを描き、分野の今後を提示する。基礎知識のみならず、最新潮流に触れられる最良のジェンダー史入門書。 【原著】Antoinette Burton, Gender History: A Very Short Introduction (Oxford University Press, 2024)

  • 新刊『わたしたちの停留所と、書き写す夜』(キム・イソル著、小山内園子訳)

    ¥2,200

    わたしの言葉を、 わたしはまだ取り戻せるだろうか。 40代未婚無職の「わたし」は、老いた父母やDVを受けて実家に戻ってきた妹親子のケア労働に果てなく追われ、詩人になる夢も「あの人」とのささやかな幸せもすべてを諦めて生きている。一日の終わりに、好きな詩を筆写することだけが自分を取り戻す時間であった「わたし」が、それすら失ってしまう前にとった選択とは――。 いま「停留所」に佇んでいるすべての人たちにおくる、 韓国フェミニズムのうねりのなか生まれた 真に大事なものを静かに問いかける「人生小説」。

  • 新刊『戦争と芸術の「境界」で語りをひらく――有田・大村・朝鮮と脱植民地化』山口祐香 チョン・ユギョン 著

    ¥2,200

    陶製手榴弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む歴史と表現――。 若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアート。自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。 有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、排外主義を考えるために、さまざまな歴史課題を問い直しながら、差別と忘却に抗う言葉を記録する。 この国が引き起こした植民地支配や戦争と地続きの排外主義や差別をそれぞれが語り、怒りを共有し、あきらめないためにぜひ読んでいただきたい1冊です。

  • 新刊『女らしさと支配 抑圧をめぐるフェミニズム哲学』(サンドラ・リー・バートキー著、井上太一訳)

    ¥3,740

    女らしさと支配 抑圧をめぐるフェミニズム哲学 サンドラ・リー・バートキー 著 井上 太一 訳 目次 著者略歴 「フェミニストになる」とはどういうことか? 美容行為、サドマゾヒズム、ケア労働などのテーマを通して内面化された男性支配を暴いていく。第2波フェミニズムの金字塔、待望の邦訳。 フェミニズム理論と現象学を融合させ、女性が日常生活の中でどのように抑圧されているかを鋭く分析。身体、感情、自己認識にまで及ぶ「女らしさ」の規範が、女性に内面化された支配の形であることを明らかにする。特に、ミシェル・フーコーの権力論を応用し、女性の身体がいかに社会的に形成され、管理されているかを論じる。第2波フェミニズムの名著とされる本書は、性差別の構造を深く理解したい読者にとって必読の書。

  • 新刊『しゃべって、しゃべって、しゃべクラシー! 憲法・選挙・『虎に翼』』カニクラブ 國本依伸 著

    ¥1,870

    目的のないおしゃべりこそ、民主主義の第一歩! しゃべクラシー=おしゃべり+民主主義(デモクラシー)。 『虎に翼』が縁でつながった、共に関西在住の女性3人おしゃべりユニットとベテラン弁護士。法について学び、選挙の行方を憂い、政治、社会、エンタメ、表現など、縦横無尽に語りまくった。緊急発行して話題となったZINE「参政党憲法をかわりに読んでみた。」を大拡張、読んだらきっとあのモヤモヤを誰かとしゃべりたくなる、元気と勇気と笑いにあふれた1冊。 【目次】 まえがきのおしゃべり NHK連続テレビ小説『虎に翼』をきっかけにつながったカニクラブと國本さん。出会いからZINEの制作、今日に至るまでのまえがきを4人の「おしゃべり」でお届けします。 1章 法でみんな、生き残ることはできる? 『虎に翼』をきっかけに、法や法律について考え始めたカニクラブ。日常にはびこる差別、終わらない戦争や虐殺などに立ち向かう「法」の力はないのだろうか? そんな疑問に答えてもらうべく、法のプロ・國本さんの元を訪ねました。 2章 参政党憲法をかわりに読んでみた。 2025年7月に行われた参議院選挙。「日本人ファースト」を掲げ、差別を煽動する参政党が躍進していることに、危機感を募らせていたカニクラブ。國本さんの呼びかけで、参政党の憲法草案を読み合い、緊急編のZINEを制作することに……。 3章 選挙後、これからどうする? さまざまな問題や課題を残したまま、参議院選挙が終了。この先も続くであろう不安定な状況の中で、ひとりの市民として、チームとして、マジョリティとして、どんなことをやっていけるのか。再び集い、ざっくばらんにおしゃべりしました。 おまけ タイトル案をカニクラした 本書のタイトル「しゃべクラシー」は、おしゃべり+民主主義(デモクラシー)から生まれた言葉です。どんな紆余曲折を経て、このタイトルにいきついたのか。4人で「カニクラする(長時間しゃべることを意味する)」ようすをお届けします。

  • 新刊『ラディカル・マスキュリズム 男とは何か』(周司あきら著)

    ¥2,970

    自明視される「男」であることに徹底的に向き合い、男性たちが性差別構造を解消し、自分の性/生を豊かにする思考・実践を探究。 「男」とは自明視されるほど確固たる存在か。男らしさ、身体、男性運動、ヘゲモニー、ミサンドリーの視点から「男」に徹底的に向き合い、男性たちが性差別構造を解消し、自分の性/生を豊かにするための思考・実践を探究する。

  • 新本『選挙との対話』(荻上 チキ編著)

    ¥1,980

    紹介 日本の選挙の科学的なデータ分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。 解説 「あなたにとって選挙とは?」 「政治参加の手段?」「民主主義の根幹?」、 それとも「行っても/行かなくても変わらないもの……?」 近年、国内外を問わず、選挙のあり方そのものが問われる事態が相次いで起こっている。こうした状況のなかで、選挙に関して「科学的に」わかっていることはなんなのか。またそれを知ることは、私たちの生活にどのように関係してくるのだろうか。 2009年以降、自民党の勝利が続く日本の国政選挙について、政治学やデータ分析の専門家たちはどのように見ているのか。国際的にみて女性の社会進出が遅れているといわれている日本の現状は? またそれを取り巻くメディアの状況は? そして、若い世代が感じている日本の選挙のリアルとは? 科学的な分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。 目次 まえがき 荻上チキ 第1章 なぜ自民党は強いのか?――政治に不満をもつのに与党に投票する有権者 飯田 健  1 自民党の強さ  2 自民党の強さの原因  3 政治に不満をもつにもかかわらず自民党に投票する有権者  4 自民党が負けるシナリオ? 第2章 選挙制度は日本の政治にどう影響しているのか?――自民党一党優位の背景を説明する 菅原 琢  1 自民党の「強さ」の謎  2 もくろみが外れた衆院選挙制度改革  3 小選挙区比例代表並立制が促す終わらない政界再編  4 並立制の解は政党間の協力  5 自民党一党優位は絶対ではない 第3章 なぜ野党は勝てないのか?――感情温度や政党間イメージについて 秦 正樹  1 「野党はふがいない」と言われ続ける理由  2 世論の野党への認識:1――感情温度を用いた分析  3 世論の野党への認識:2――イデオロギーを用いた分析  4 世論の野党への認識:3――政権担当能力評価  5 野党の今後を考える 第4章 なぜ女性政治家は少ないのか?――政治とジェンダー、政治家のメディア表象について 田中東子  1 新聞はどのように女性政治家を報じてきたのか  2 ポピュラー文化と女性リーダーの表象  3 「すべての女性たち」が政治の場で活躍できる社会とは 第5章 政治家にとって対話とは何か?――杉並区長・岸本聡子インタビュー 岸本聡子(聞き手:永井玲衣/荻上チキ) 第6章 私たちはどうやって投票先を決めているのか?――日本の有権者についてわかっていること、データからわかること 大村華子  1 私たちの投票は何によって決まっているのか  2 日本の有権者の投票は何によって決まっているのか  3 データを使ったら、どんなことがわかるのか 第7章 私たちにとって選挙とは何か?――選挙をめぐる哲学対話 永井玲衣/荻上チキ

  • 新刊『むずかしい女性が変えてきた あたらしいフェミニズム史』(ヘレン・ルイス著、田中恵理香訳)

    ¥4,400

    女性が劣位に置かれている状況を変えてきた女性のなかには、品行方正ではない者がいた。危険な思想に傾く者も、暴力に訴える者さえもいた。 たとえばキャロライン・ノートン。19世紀に困難な離婚裁判を戦い抜いて貴重な前例をつくった人物だが、「女性は生まれながらにして男性に劣る」と書き残した。たとえばサフラジェットたち。女性の参政権獲得に欠かせない存在だったが、放火や爆破などのテロ行為に及ぶこともあった。たとえばマリー・ストープス。避妊の普及に尽力し多産に悩む多くの女性を救った彼女は、優生思想への関心を隠さなかった。 しかしだからといって、その功績をなかったことにしてはいけない。逆に功績があるからといって、問題をなかったことにしてはいけない。歴史は、長所も短所もある一人ひとりの人間が、身近な不合理を少しずつ変えることでつくられてきた。 「むずかしい女性」たちがつくってきたこうした歴史の複雑さを、イギリス気鋭のジャーナリスト、ヘレン・ルイスが余すことなく本書のなかに描き出す。イギリス女性史と現代社会の出来事とを自在に往還してあぶり出される問題は、女性だけではなく社会全体の問題であることが見えてくる。社会の不合理や理不尽に立ち向かうための、あたらしいフェミニズム史。

  • 新刊『沖縄 スパイ』キム・スム 著 孫知延 訳

    ¥3,300

    SOLD OUT

    沖縄戦争の久米島は、日本軍の狂気じみた「スパイ」視による暴力の現場となった。20人の住民がスパイ容疑で虐殺され、敗戦後の8月20日には父親が朝鮮人の家族7人が虐殺された。作家キム・スムは、この歴史の真相に飛び込み、軍国主義の狂気に向き合って、消えゆく人々の悲劇を赤裸々に描き出した。 原題『오키나와 스파이(沖縄 スパイ)』(モヨ社、2024.7) <訳者による作品紹介>  この小説は太平洋戦争当時、沖縄本島西側の小さな島、久米島で実際に起きた残酷な虐殺事件を描く。日本軍が善良な住民20人を「米軍のスパイという罪名で無残に殺害した「久米島守備隊住民虐殺事件」が小説化されたのは今回が初めてとなる。これまで日本でも、そして沖縄文学界でも取り上げられたことがない。  キム・スムはこの小説を書くにあたり膨大な参考資料を読み込み、久米島をはじめ、沖縄の多くの場所を幾度も訪れた。様々な作品で彼女が絶えず描きつづけてきた、見えない過去(歴史)を現在に召還し、再現しようとする「記録と「証言」の文学的実践である。彼女はこの小説で、日本帝国の狂気じみた暴力が、人間の基本的人権を蹂躙した歴史の現場に正面から向き合う。  この島では、様々な暴力が複雑に折り重なって存在した。日本軍の一次的暴力が横行し、住民の間にも「スパイ恐怖症」が呼び起こした様々な暴力が混在した。10代の幼い少年たちが、軍国主義思想に魂を奪われ、罪のない住民たちにスパイ容疑をかけて殺戮する姿は、想像もできないような暴力の極悪さを示している。聞こえない暴力の声、目に見えない暴力の叫びが揺れ動く。作家キム・スムは、この歴史の地層の真ん中に飛び込み、戦争という名の暴力に魂と肉体が蹂躙され、消えゆく人々の悲劇を赤裸々に描き出す。  沖縄を代表する作家、大城立裕や目取真俊が描く作品世界とはまた異なった、彼らが捉えきれなかった沖縄戦の実状が隅々まで暴かれる。  キム・スム特有の繊細な筆致が目を引く作品であり、戦争の裏側に位置する沖縄の日常空間(木、森、方言、食べ物、伝統、風俗など)に対する写実的描写が実に興味深い。  真藤順丈の『宝島』(講談社、2018)、高山羽根子の『首里の馬』(新潮社、2020)のように「沖縄」をテーマにした小説が直木賞、芥川賞などを受賞し、日本文壇の注目を集めた。キム・スムの最新作『沖縄スパイ』もまた、韓国小説に魅了された読者層のみならず、沖縄と東アジアのジェンダー問題に関心を持つ人々まで、実に幅広い読者層を惹きつけるであろう。  

  • 新刊『本当にやる!できる!必ずやる! アイスランドの「女性の休日」』リンダ・オウラヴスドッティル 作 朱位昌併 訳

    ¥2,310

    SOLD OUT

    1975年10月24日、アイスランド女性の9割が職場と家庭での仕事を放棄した。 「女性の休日」と呼ばれた一斉ストライキに参加した日のことを、母が娘に語り伝え、ユーモアを交えて軽やかに描き出す。 *****あらすじ詳細***** 小学生くらいの女の子ヴェーラは、ママと一緒に、今年の「女性の休日」(女性ストライキ)に出かけます。そのとき、ママは子どもの頃、 1975年10月24日の「女性の休日」にお母さんに連れられて参加した日のことを話してくれます。 なぜ女性たちがストライキを起こすことになったのか。 かつては学校に行けるのは男の子だけだった。女の子たちが学校へ行き、外で働く女性たちが増えていっても、家族の世話を担うのは女性たちで給料は男の人たちの半分だった、と。 1975年に国連が「国際女性年」を宣言し、アイスランドの女性たちは、行動を起こします。 ――「社会で女性がどれほど 大切なやくわりを はたしているのか 世界に見せる時がきた!」って思ったわ。 ――想像してみて。社会の半分の人が すべての仕事とやくわりを 一日休んだら どうなるか。 立場を超えた女性たちが――主婦も会社や役所で働く人も、農業に従事する人や漁船で働く人たちも、お年寄りや学生でも、首都レイキャヴィークだけでなく地方の小さな町に住む人でも同じように――この歴史的なストライキ「女性の休日」に参加しました。 なんと、「アイスランド女性の90%が 家庭と職場での仕事を放棄した」のです。 この誇り高い一日を力強く、また、子守と家事をいきなり担うことになった男性たち・父親たちの「長い金曜日」を軽やかに描き出します。

  • 新刊『リプロダクティブ・ジャスティス 交差性から読み解く性と生殖・再生産の歴史』ロレッタ・ロス リッキー・ソリンジャー 著

    ¥3,960

    生殖と家族形成を取り巻く構造的抑圧から生まれたこの社会運動は、いかにして不平等を可視化し是正することができるのか

  • 新刊『地方女子たちの選択』(上野千鶴子、山内マリコ 著)

    ¥1,980

    SOLD OUT

    「地方の女性流出」が取り沙汰される今日だが、当の女性たちの姿はあまり見えない。それは女性が減ると産まれる子どもの数が減るという、「数」でしか見られていないからだろう。 本書では、地方都市のひとつ富山で女性14人の語りを聞き取り、「数」から「生身のある人間」へと解像度をあげた。彼女たちはなにを選んできたのか、選べなかったのか。語りを通して、みえてくるものとは。 「富山から出ていく」選択をした上野千鶴子と山内マリコが、様々な選択が幾重にも交錯する語りをふまえ、対談し、地方をみつめなおす。

  • 新刊『ままならぬ顔・もどかしい身体 痛みと向き合う13話』山口真美 著

    ¥2,420

    顔は、身体は、誰のもの? 顔認知研究の第一人者が、アイデンティティとコミュニケーションのジレンマに引き裂かれる顔と身体を対比させながら、ルッキズム、ジェンダー、病や死の受け止め方など、身近な偏見や矛盾について考える。科学的知見を交え、社会問題のヒントを提供するエッセイ。 【主要目次】 1 ガーンな身体(病とどう向き合うか/健康と病の境界/病や死をどう受け止めるべきか) 2 「しびれ」は幻の痛みなのだろうか(痛みという主観的体験/痛みとしびれ/身体感覚の侵食) 3 顔研究者の顔に麻痺が起きる(麻痺による影響/表情の大切さ/表情が感情を作る?/顔を見るとはどういうことか) 4 マスクのもたらす影響を知る(人はなぜイタイ話を求めるのか/コロナ禍での痛み/マスクへの忌避感が小さい日本/顔は重要なコミュニケーションツール/顔処理は変わるのか/ふれ合いの重要性) 5 確率の世界を生きるということ(正常バイアスの恐ろしさ/数値化されることの不安/闘病記と身近な人々からの情報/私の闘病の経緯/数値を持つ人、持たない人) 6 共感をうまく使う、共感に使われない(心を読む能力と、感情を共有する能力/感情を考える/表情を通して感情を研究する/共感性と「心の理論」/共感性と感情の共有と同調と) 7 顔の区別が必要になったわけ(いたるところに顔を発見する脳/相貌失認を再考する/顔を見るためのモデル/顔を見る能力の多様性/区別できる顔は増え続けるのか) 8 ルッキズムとアンコンシャスバイアス(就職活動をルッキズムから考える/人は外見を区別する生物である/アンコンシャスバイアスの存在に気づくことの大切さ) 9 男と女、違いはあるのか(自分への問いから始める心理学/男女の違いを進化から見る/顔だけで男女は区別できるか/男女で色の好みは違う?/社会が男女を作るのか) 10 すべてのジェンダーが解放され、女子大が必要なくなる日が来ますように(男性研究者を優遇しない女子大/男女雇用機会均等法がもたらしたしこり/女性の職業が限られていた時代/女性を二極化する歪んだ社会を生きて/女子大はオワコンか) 11 「かわいい」のマジックはどこにある?(「かわいい」で動物と親しくなる/いつまでもかわいいネオテニー/かわいいマジック、ベビースキーマ/「かわいい」と日本のポップカルチャー/「かわいい」は格下) 12 がんになって五年たちました(自分の身体は誰が管理するのか――身体への気づき/退院直後にやったこと/自分の中のルッキズムとともに) 13 顔と身体を持つことによるもどかしさ、生きること(ナルシストの苦しみは必然なのか/偏見という攻撃にさらされる顔と身体/思い通りにならない人生を知るための顔と身体/顔や身体への執着) あとがき

  • 新本『同性婚のこれから「婚姻の自由・平等」のために法と政治ができること』( ジェンダー法政策研究所 編著)

    ¥1,870

    同性婚の「現在地」、そして「その先」を展望する いまだ法律で認められていない同性婚。そもそもなぜ日本では「異性婚」しかできないのか? 憲法・民法・国際人権法の視点から「法の論理」を、そして独・仏・台湾事情から同性婚法整備の過程とその後の経過を学び、日本における婚姻の自由と平等を考える。 執筆者 辻村みよ子(東北大学名誉教授) 三成美保(追手門学院大学法学部教授・奈良女子大学名誉教授) 田代亜紀(専修大学法科大学院教授) 西山千絵(琉球大学大学院法務研究科准教授) 中川重徳(弁護士) 二宮周平(立命館大学名誉教授) 谷口洋幸(青山学院大学法学部教授) 齊藤笑美子(GELEPOCフランス支部長) 渡邉泰彦(京都産業大学法学部教授) 福永玄弥(東京大学教養学部准教授) 糠塚康江(東北大学名誉教授)

  • 新刊『ネオリベラル・フェミニズムの誕生』キャサリン・ロッテンバーグ 著 河野真太郎 訳

    ¥3,080

    働く母になり、バランスよく幸せに生きろ――? 20代ではキャリアを、30代では育児を。すべてが女性の肩にのしかかる「自己責任化」を促す、新自由主義的なフェミニズムの出現とは? 果たしてそれはフェミニズムと呼べるのか? Facebook(現Meta)の元COOシェリル・サンドバーグやイヴァンカ・トランプらのエッセイ、マミー・ブログやドラマ等を分析し、若い女性たちに示される「幸せな」人生の選択肢とその隘路を問う。アメリカ・フェミニズムのいまを映し出す待望の邦訳。 「教育があり階級上昇を志向する女性を総称的な人的資本へと完全に変換してしまうことに対して、ネオリベラル・フェミニズムはある種の対抗として機能していると理解されねばらない(…)。ネオリベラル・フェミニズムは、逆説的に、また直感に反するかたちで生殖=再生産を「上昇志向の」女性たちの規範的な人生の道筋の一部として保持し、バランスをその規範的な枠組みかつ究極の理念とすることによって、ネオリベラリズムを構成する本質的な矛盾の一つを解消する手助けをする。」(本文より)

  • 新刊『FINE 聞いてみたら想像以上に人それぞれだったジェンダーとかの話』レア・ユーイング 著 斎藤慎子 訳

    ¥3,520

    このマンガはきっと、あなたを想像以上に多様なジェンダーの経験の中に投げ込む。ジェンダーについてのどんな理論もいったん忘れて、十人十色の語りに耳を傾けてほしい。自身も性や身体への違和感に悩んだ著者が、さまざまな性自認、性的指向をもつ市井の人々56人にインタビューし、その語りをマンガでいきいきと再現した。 「ジェンダーと性の違いは?」といったシンプルな問いを皮切りに、思春期の悩みや対処法、日常生活の喜びや障壁についてのリアルな語りが溢れ出す。それらは一つの「正しい」声にまとまることなく、ポリフォニーのまま、読み手を「ジェンダーとは?」という問いの先へと導いてくれる。 語りの魅力はニュアンスに宿るからこそ、語る人の表情や様子は細やかに描かれている。インタビューのテーマは、言葉や身体感覚の話題から、トイレや医療などの社会環境の問題まで、多岐にわたる。 本書は自らのジェンダーとアイデンティティを探し求めた著者の心の旅の記録でもあり、完成まで10年をかけて制作された。著者の出会った語りに魅了されつつ、新たな語りへの動機と勇気を刺激される、傑作ノンフィクション・コミック。 『ワシントン・ポスト』紙で2022年のグラフィック・ノベル部門ベスト10入選。 『ブックリスト』誌で2022年のグラフィック・ノベル部門ベスト10入選。

  • 新刊『「休むと迷惑」という呪縛』保坂亨 著

    ¥1,210

    働き方改革が推進され、コロナ禍を経た今もなお、長時間労働はなくならず、その対策も後手に回り続けている。過労死、「自己研鑽」という労働時間のグレーゾーン、そして「定額働かせ放題」と言われる教員の働き方……。 なぜ私たちは「休むこと」をためらってしまうのか? その原因は学校教育にあった。 皆勤賞で「休まないのは良いこと」という意識を刷り込まれ、部活動を通し「休むと皆に迷惑がかかる」と考えるようになる――。 本書では、戦後の学校教育が教えてきた「休まない美徳」の問題点を指摘しつつ、誰もが休みやすい社会を作っていくためのヒントを示す。

  • 新刊『視線と差異 ——フェミニズムで読む美術史』グリゼルダ・ポロック 著 荻原弘子 訳

    ¥1,870

    なぜそこに女はいないのか? なぜ美術史から女の存在が消されてきたのか? 緻密な分析から従来の美術史における構造的な性差別を明らかにし、その根源的変革を迫る論争の書。

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