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新刊『花と夢』ツェリン・ヤンキー著 星泉訳
¥2,640
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ラサのナイトクラブで働きながら場末のアパートで身を寄せ合って暮らす四人の女性たちの共同生活と、やがて訪れる悲痛な運命……。家父長制やミソジニー、搾取、農村の困窮などの犠牲となり、傷を抱えながら生きる女性たちの姿を慈愛に満ちた筆致で描き出す。チベット発、シスターフッドの物語。英国PEN翻訳賞受賞作。
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新本『詩集 女たちへ Dear Women』中村純著
¥1,100
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京都市在住の詩人、中村純さんが2017年に刊行。女性をテーマにした詩集。 Kaninで閲覧用としておいていたところ、どうしても欲しいという方がいらっしゃった作品です。母から子へ、娘から母へ、女から女へなど美しい言葉で紡がれたたくさんの詩が収められています。 告白するのも恥ずかしいのですが、店主S、子を産むまでは「はー世の中どうでもいいわ。自分が死んだら終わりやし」というシニカルかつ退嬰的で厭世的な考えでした。が、子をもってみて一変。自分の子だけでなく、すべての子どもたちがおなかいっぱい食べて幸せに暮らしてほしい、そのためには世の中をよりよくしないと、と思うようになったのです。悲しいほど陳腐でクリシェ、しかしこれが偽らざる気持ち……。 そんなわけでこちらの詩集でも、最初の2篇がぐっと胸に迫ってきました。そしてもちろん、友によびかける詩も素敵です!
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新刊『料理と人生』マリーズ・コンデ 著
¥4,180
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女中たちから料理を教わる台所が隠れ家だった娘時代、 4人の子育てに追われる日々、ギニア、ガーナ、セネガルで出会ったアフリカの味、 作家として名を成し、世界中を飛び回る日々に知った東京のヤキトリ、マグレブのタジン鍋。 料理なんて召使いのすること──。 そんな母の言葉への反発が、文学への情熱と同じくらい熱い、料理への愛を気づかせてくれた──。 2018年ノーベル文学賞に替わるニュー・アカデミー賞を受賞した世界的黒人女性作家の最後の自伝的回想録。
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新刊『明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記』平山亜佐子 著
¥2,200
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号外に関係のない婦人記者 日本の新聞黎明期。女だからと侮られ、回ってくるのは雑用ばかり。 婦人記者たちは己の体一つで、変装潜入ルポ〈化け込み記事〉へと向かっていった── 観察力が光る文才、鉄砲玉のような行動力、私生活でもまばゆいばかりに破天荒。 徒花(あだばな)とされ軽視されてきた彼女たちの仕事を時を超えて再評価し、 型破りな生きざますらも肯定する、唯一無二の近現代ノンフィクション!
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新刊『動物×ジェンダー マルチスピーシーズ物語の森へ』村井まや子 熊谷謙介 編著
¥3,300
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人間と動物を対立させる価値観を退け、ポストヒューマンやクィアの思想を取り込んで、動物表象に潜むジェンダー力学を浮き彫りにする。動物や人間、精霊やウイルスをめぐる物語に分け入り、マルチスピーシーズとジェンダーの視野で作品の可能性を浮上させる。 民話やおとぎ話の動物と人間の関係、寓話やファンタジーに登場する精霊、狩猟と男性性、冒険物語を脱構築する動物――それらを文学や芸術はどのように描いてきたのか。大江健三郎、多和田葉子、松浦理英子たちの現代の「動物作品」は何を表象しているのか。 動物が人間よりも劣位に置かれる文化・構造を踏まえ、人間中心の視点を脱し、複数種(マルチスピーシーズ)の絡まり合いから作品や表象を読み解く。これに加えて、女性が男性から差別される非対称性に基づき、ジェンダーの視点も重ね合わせて多角的に分析する。 人間と動物を対立させる価値観を退け、エコクリティシズムやポストヒューマンの思想の潮流に棹さしながら、動物表象に潜む力学を浮き彫りにする。動物や人間、精霊をめぐる物語の森に分け入り、マルチスピーシーズやジェンダーなどの複合的な視野で作品の可能性を浮上させる新たなリーディングの地平。
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新刊『耳をすませば』チョ・ナムジュ 著 小山内園子 訳
¥1,870
『82年生まれ、キム・ジヨン』著者のデビュー作にして傑作! 抜群の聴力を持つ少年がテレビのサバイバル番組に出場し……。著者インタビューも必読!
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新刊『29歳、今日から私が家長です。』イ・スラ 著 清水知佐子 訳
¥1,870
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この小説は家父長でも家母長でもない娘が家長(家女長)で主人公。 厳しい祖父が統治する家で生まれた女の子・スラがすくすく育って家庭を統治する。 作文を家業に家を興した娘が、一家の経済権と主権を握る。 家父長の家では決してありえないような美しくて痛快な革命が続くかと思ったら、家父長が犯したミスを家女長も踏襲したりする。家女長が家の勢力を握ってから、家族メンバー1に転落した元家父長は、自ら権威を手放すことで可愛くて面白い中年男性として存在感を表す。この父は片腕にはモップを、もう片腕には掃除機を入れ墨にして、家のあちこちを熱心に掃除しながら家女長と妻を補佐する。だが、この小説は家父長制を廃止しようという扇動や家父長制への批判に満ちた話ではない。スラはどの家父長よりも合理的で立派な家長になりたいと思っているが、スラの母にも家女長の時代が家父長の時代より良いのだろうか。スラの家女長革命は果たして皆を幸せにすることができるだろうか。
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新刊『トランスジェンダーと性別変更 これまでとこれから』高井ゆと里 編
¥748
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生殖不能要件は憲法違反――長く放置されてきた人権侵害を是正するため、「性同一性障害特例法」の改正が求められている。いま私たちに必要な基礎知識とは何なのか。特例法が制定された背景から、法・医学・国際人権の知見まで、高井ゆと里、野宮亜紀、立石結夏、谷口洋幸、中塚幹也らエキスパートが解説する。
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新刊『暴力とアディクション』信田さよ子 著
¥2,200
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理論と臨床から考える「援助」論 臨床の現場にたち、第一線で活躍しつづけている著者。時代の移り変わりや社会のできごとを経ていくなかで、「家族」や「こころ」が静かにしかし確かに変化していくさまを見つづけてきた。依存症、ヤングケアラー、アダルト・チルドレン、DV、母と娘、そして精神医療の現在……。変わりゆくように見える「家族」や「こころ」に手を伸ばすとき、どのようなあたらしい生存戦略がありうるのか。医療とは異なる「援助」は可能なのか。第一人者による思索と実践の記録。
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新刊『真実と修復 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』ジュディス・L・ハーマン 著 阿部大樹 訳
¥3,740
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〈社会のあり方から心的外傷が生じている以上、そこからの回復も、個人の問題プライベートではありえない。個々のコミュニティにある不正義によって外傷が生じているなら、傷を治すためには、より大きなコミュニティから対策を引きだして、不正義を修復しなくてはならない。 回復していく途上、難しい問いがさまざまに浮かび上がってくる。 皆の前でこのことを話せるか? 真実を、周りのひとは受け止めてくれるだろうか? この傷は治るだろうか? そのために何を差し出さなくてはならないのか? どうして加害者と同じコミュニティに所属しつづけないといけないのか? 和解は可能か? どうやって? コミュニティはどうすれば現在の、そして将来の被害を防げるのか? この問いに答えるため、私はもう一度、話を聞くことにした。生き延びたものたちの声である。皆のための、より良い正義を求めることのために本書はある〉 暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。トラウマ問題のバイブル『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
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新刊『ウィッチンケア VOL.14』
¥1,980
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発行人、多田洋一さんが「ぜひこの人に!」と寄稿依頼した、42人の書き下ろし作品が掲載。 多彩な分野で活躍する人の「いま書いてみたいこと」が詰まった文芸創作誌です。
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新本『占領下の女性たち 日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』(平井和子著)
¥3,300
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日本本土・満洲で同時進行的に形成された「性の防波堤」。そこには国家や共同体によって多くの日本人女性が駆り出された。ジェンダー、セクシュアリティの視座から占領下の多様な性暴力の実態と構造を明るみに出すとともに、戦後史のなかに黙殺されてきた被害女性たちの生きざまを貴重な資料と証言に基づいて浮かび上がらせる。
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新本『言葉を失ったあとで』(信田さよ子・上間陽子著)
¥1,980
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「聞く」の実際。アディクション・DVの第一人者と、沖縄で社会調査を続ける教育学者。それぞれの来歴から被害/加害をめぐる理解の仕方まで、とことん具体的に語りあった対談集。 この本の目次 第1章 言葉を失ったあとで 二〇二〇年一一月二七日 第2章 カウンセリングという仕事、社会調査という仕事 二〇二一年二月六日 第3章 話を聞いて書く 二〇二〇年二月二三日 第4章 加害と被害の関係 二〇二一年三月一二日 第5章 言葉を禁じて残るもの 二〇二〇年三月二七日 第6章 ケアと言葉 二〇二一年五月一一日
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新刊『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』小林エリカ著
¥1,870
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リーゼ・マイトナー、エミリー・デイヴィソン、伊藤野枝、ヴァージニア・ウルフ……男性社会の中で本来望む生き方を抑圧された女性たちの戦いの記憶を描き出す。 この女(ひと)を見よ! 科学者、詩人、活動家、作家、スパイ、彫刻家etc. 「歴史」の中で、不当に不遇であった彼女たちの「仕事」がなければ、「いま」はありえなかった――。彼女たちの生き方、そして死に方を拾い上げ、未来へとつないでいく、やさしくたけだけしい戦いの記録。 ◎フルカラーの美麗なイラスト付! 【本書で取り上げる女性たち】 マルゴー・フランクとアンネ・フランク姉妹/伊藤野枝/シルヴィア・プラス/エミリー・デイヴィソンの葬列を組む女たち/ヴェルダ・マーヨ(長谷川テル)/ロザリンド・フランクリン/婉容/ブラック・イズ・ビューティフルを歌う女たち/マタ・ハリ/クララ・イマーヴァール/エミリー・ディキンスン/水曜日にその傍らに立ち続ける女たち/ヴァージニア・ウルフ/エウサピア・パラディーノ/マリア・スクウォドフスカ=キュリー/ラジウム・ガールズ/湯浅年子/ミレヴァ・マリッチ/貞奴/学校へ通う少女たち/アンナ・アフマートヴァ/カミーユ・クローデル/高井としを/ヒロシマ・ガールズ/メイ・サートン/リーゼ・マイトナー/アストリッド・リンドグレーン/風船爆弾をつくった少女たち
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新刊『敬愛の心』(キム・グミ著、すんみ 訳)
¥2,640
◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行 ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。
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新本『女子鉄道員と日本近代』若林 宣著
¥2,640
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女性踏切番、出札係やバス・市電の車掌の勤務状況、男性職員との差別的な労働条件を明らかにし、厳しい労働実態にもかかわらず花形職業としてもてはやした社会状況を活写。 「太平洋戦争下に、男性の代替として鉄道は女性を大量に動員した」ことばかりが論じられてきた女子鉄道員は、実は1900年以前から働いていた。 明治初期の女性踏切番を皮切りに、出札係やバス・市電の車掌の勤務実態、男性職員との差別的な労働条件を明らかにし、厳しい労働実態にもかかわらず女性車掌を花形職業としてもてはやした当時の社会状況を活写する。 さらに、太平洋戦争に突入してからの国鉄の女性職員と乗務員をめぐる定説を新聞資料などを丹念に調査して引っくり返し、新たな一面を照らす。加えて、戦争末期には小・中学生まで鉄道員として動員していた事実も明らかにする。 男性中心の日本鉄道史の陰に追いやられ、物珍しい存在としてだけ扱われてきた女性鉄道員とそれにまつわる出来事を史資料を発掘して紹介し、通説に大きな風穴を開ける。 店主Sの父方の祖母(大正生まれ)は、親に決められた婚約者が嫌で故郷の鹿児島を逃げ出し、関西でバスの車掌をやっていました。ああ、こういう風に働いて(働らかされて)いたのか……と感慨深かったです。
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新刊『幼年の庭』呉貞姫著 清水知佐子訳
¥2,420
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日常にひそむ不安や欲望 家族の中で抱く孤立感 生きあぐね、もがく女たち 現代女性文学の原点となった 呉貞姫の作品集 朝鮮戦争を体験した著者の幼少期が反映された「幼年の庭」「中国人街」のほか、「三十代の内面の記録」という六編を収録。繊細で詩的な文章は、父の不在、家族関係のゆがみ、子どもや夫への愛情のゆらぎに波立つ心を描き出す。それは時代の中で懸命に生きる人の肖像でもある。 『幼年の庭』に描かれた韓国の女性たちの姿は、 同時代の日本の女性たちとも重なる部分があるだろう。 現代の韓国文学に日本の読者が共感するように、 幅広い層の心に響く小説集として 多くの人々に読まれることを期待している。 —-清水知佐子(本書「訳者解説」より)
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新本『痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学』牧野雅子著
¥2,640
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なぜ日本では「痴漢」という性犯罪が、こんなにも日常化しているのか? そして、「被害」の対で語られるべき「加害」ではなく、なぜ今「冤罪」ばかりが語られるのか? 戦後から現在までの雑誌や新聞記事を分析し、これまで痴漢がどう捉えられ、社会の意識がどうつくられてきたかを読みといていく、これまでなかった「痴漢」研究の書。前提を共有し、解決策を考えていくために必読の一冊。 痴漢事件はどれくらい起こっているのか/夏は痴漢が増える、という思い込み/痴漢被害者に求められる「羞恥心」とは?/「痴漢は犯罪です」――は本当か?/女性専用車両は誰のために生まれたか/痴漢が娯楽になっていく過程/痴漢ブームは終わらない/たかが痴漢、されど痴漢冤罪の矛盾/痴漢=性依存というアプローチが注目される理由…etc.
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新刊『ジェンダー史10講』姫岡とし子 著
¥1,056
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女性史・ジェンダー史は歴史の見方をいかに刷新してきたか――史学史と家族・労働・戦争などのテーマから総合的に論じる入門書。 暗黙のうちに男性主体で語られてきた歴史は、女性史研究の長年の歩みと「ジェンダー」概念がもたらした認識転換によって、根本的に見直されている。史学史を振り返りつつ、家族・身体・政治・福祉・労働・戦争・植民地といったフィールドで女性史とジェンダー史が歴史の見方をいかに刷新してきたかを論じる、総合的入門書。
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新本『これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい』上野 千鶴子著
¥1,496
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NHK人気番組「最後の講義 上野千鶴子」を未放映シーンも入れた完全版として書籍化。すべての女性に勇気を与える1冊です。 目次 序章 始まりは「主婦研究」主婦ってなあに?何するひと?(「主婦研究者」としてのスター卜;「婦人問題論」に「女性学」を持ちこむ) 第1章 『家父長制と資本制』マルクス主義フェミニズムの立場から女性差別の根源を探る(市場の外側にあるもの。女性差別の根源;ケアする性としての女性。家事は不払い労働である ほか) 第2章 家事・育児・介護・看護 たったひとりの女がすべてを背負う「積みすぎた方舟」(ケア労働は生命の再生産労働;危機は近代家族のスター卜から。「積みすぎた方舟」 ほか) 第3章 ケアとは何か。誰が介護を担うのか。「研究対象」として「介護」を選んで(ハッピーな介護者でなければハッピーな介護はできない;女性の地位の国際比較。日本の女の地位はなぜ低いのか;ケアのアウトソーシングと出生率。誰がケアを担うのか ほか) 第4章 フェミニズムとは弱者が弱者のままで尊重される社会を求める思想(エイジングは中途障害者になる過程。ケアは非暴力を学ぶ実践;2019年、東京大学入学式の祝辞でバズる;安心して弱者になれる社会、安心して要介護者になれる社会を ほか) 第5章 上野ゼミ・10人の受講生と語る(まずは、自己紹介と講義の感想から;専業主婦/尽くす妻/父親と育児;子育てのアウトソーシング/結婚相手に求めること ほか)
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新刊『奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき』キム・ソヨン著 姜信子監訳 奥歯翻訳委員会訳
¥2,420
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心の傷もわかりあえなさも、 すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになった——。 痛みの声を聴く詩人が、母、父、心の傷、そして回復までの日々を語る。 奥歯を噛みしめて耐えること、奥歯を噛みしめて愛すること。 何もできなかったあのころ。それは、詩のうまれゆく時間であった。 生きることそれ自体が、詩になる。 それは特別なことではなく、 あなたの人生もまた詩なのだ。 寒さに震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。 「日本の読者へ」と、三角みづ紀(詩人)による応答エッセイを付す。
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新本『エンタイトル 男性の無自覚な資格意識はいかにして女性を傷つけるか』ケイト・マン著 鈴木彩加、青木梓紗訳
¥3,080
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ミソジニーが守ろうとする男性の特権意識 女性へのハラスメントや性暴力ののち、あろうことか被害者側が非難される。なぜそんなことがまかり通るのか。鍵となるのは、自分は女性から与えられる資格があるという男性の特権意識と、それを守ろうと発動するミソジニーだ。政治家からインセル、医者、夫など数々の実例をあげながら、家父長制が一見弱まりつつある時代における女性嫌悪の現れかたを鋭く抉り出す。『ひれふせ、女たち』で話題をさらった著者による新たな力作。 「私たちは何に反対しているのかが明白なときに、よりうまく闘うことができる。」(本書より) 「合衆国のように法的・社会的に男女平等が(形式的で不十分であれども)実現されているような「ポスト家父長制」的社会において、ミソジニーが守ろうとしている「家父長制的な規範や期待」とはそもそも何なのだろうか。その答えとしてマンが本作で提示しているのが、資格(entitlement)である。その資格の具体例として本書では、称賛を得る資格、セックスをする資格、同意される資格、痛みの訴えを聞いてもらう資格、自分の身体のことを自分で選択する資格、家事労働をしてもらう資格、知識ある者として語る/聞かれる資格、権力を得るにふさわしい者とみなされる資格である。」(訳者あとがきより)
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新本『SNSフェミニズム 現代アメリカの最前線』井口裕紀子著
¥2,200
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SNSによって変わるフェミニズム、 フェミニズムによって変わる社会 アメリカで活動する300のグループを調査した、現代フェミニズムの熱気を伝える最新の研究。 「Me too」運動に代表されるように、現代のフェミニズムはインターネット、特にSNSを舞台に盛んになっている。ネットの世界にとどまらず、現実社会をも動かす大きな力になっているそのムーブメントはいつ生まれ、何を訴え、いまどのようになっているのか。本書では、インターネットを使ったフェミニズム運動が盛んな現代アメリカで活動する300のグループを調査。「参加型政治」と「インターセクショナリティ」を理論軸にその活動を分析し、多様な運動の本質に迫る。
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新本『「ものづくり」のジェンダー格差 フェミナイズされた手仕事の言説をめぐって』山崎明子著
¥4,950
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手仕事をめぐる言説に隠されたジェンダー構造を明らかにする画期的研究 人々の関心を集めながらも、社会の傍流へ追いやられる手仕事がある。そんな「やりがいのあるものづくり」が奨励されるとき、その言説にはジェンダーの問題が潜んでいるのではないか。学校での家庭科、戦時下における針仕事の動員、戦後の手芸ブーム、伝統工芸における女性職人、刑務所での工芸品作りなど、趣味以上・労働未満の創作活動を支えている、フェミナイズ(女性化)する言説を探る。 「多くの女性化された創造活動は、それが「仕事」であっても、「家庭」と結びつけられやすく、またその語りは「楽しさ」や「やりがい」など、自己啓発的な言葉に満ちている。そして女性化された仕事は、今日、グローバルに組織されたものづくりの現場に広がっている。そこには、「女性」だけでなく、移民、女性化された男性、そしてその子どもたちも含まれ、家父長的な家族観がまだ強く、労働のための法やその準備のための教育が十分に確立していない社会では、こうした家父長的な構造を容易に利用できてしまうのだ。近代家族の中で女性たちが行ってきた仕事は、より女性化された人々に移譲され、消費者となった女性たちには移譲の現実が不可視化されている。この問題は、今を生きる私たちにとって、決して他人事ではないはずだ。」(本書より)