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新刊『別冊NHK100分 de 名著 フェミニズム』加藤陽子、鴻巣友季子、上間陽子、上野千鶴子著
¥990
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「生きづらさ」を乗り越えるために 「100分deフェミニズム」(2023年1月2日放送)が待望の書籍化! 『伊藤野枝集』『侍女の物語』から『心的外傷と回復』『男同士の絆』まで。豪華著者陣が名著の核心を読み解きながら、フェミニズムの真価を語りつくす。未放送のトピックも収載し、新たな取材も加えた決定版! お正月の放送を、実家で二つ年下の弟と観ました。お笑い番組を見ていた弟にチャンネルを替えてもいいかと聞くと、そのまま別室へ行くのかと思いきや「興味あるし」と最後まで見ていました。 多くは語りませんが、姉弟そろって就職氷河期ど真ん中のあおりを受けて何度も傷ついてきたロスジェネ世代。特に上間陽子さんの説くハーマン「心的外傷と回復」は弟の心にも深く染み入ったようです。フェミニズムについて語ることは、ジェンダーを超えて様々な人の生きづらさを紐解くのだなと実感した回でした。書籍としてお手元にぜひ。(店主©) 全176ページ
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新刊『フェミニスト・シティ』レスリー・カーン 著 東辻賢治郎 訳 晶文社
¥2,200
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なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。 これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。 近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。(版元サイトより) 全282ページ
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新刊『氷室冴子とその時代 増補版』嵯峨景子著 河出書房新社
¥2,640
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店主二人が愛してやまない作家、氷室冴子さんの功績に迫る作品。ドンピシャ世代の方もそうでない方も、ぜひその足跡にふれてください! (以下版元サイトより) 80~90年代、少女小説を中心に活躍し、再評価の機運も高まる作家・氷室冴子。少女小説研究の第一人者が丹念な調査と取材から、その全貌に迫る。作家や編集者に追加取材を行い増補刊行! 少女小説の革新、「女性作家」としての活躍と葛藤、新たなジャンルへの挑戦―― 80~90年代、エンタメ小説の最前線で戦い続けた、 いま、最も再評価すべき作家の全貌に迫る。 『クララ白書』『雑居時代』『なぎさボーイ』『なんて素敵にジャパネスク』などの少女小説、ジブリアニメにもなった青春小説『海がきこえる』、エッセイ『いっぱしの女』『冴子の母娘草』などで絶大な支持を得、今も人気女性作家たちがその影響を公言する作家・氷室冴子(1957-2008)。少女小説研究の第一人者が丹念な資料調査と取材から、その功績と志に迫る。 若木未生氏、桑原水菜氏や各社担当編集者のインタビューを増補。 未完の傑作『銀の海 金の大地』第二部についての証言も収録! 全400ページ
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『女遊び』上野千鶴子著
¥600
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フェミニズムの理論的旗手として、男を(そして女を)震憾させた天才・上野千鶴子のはじめてのエッセイ集。
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『私は男が大嫌い』ポーリーヌ・アルマンジュ著、 中條千晴訳
¥850
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政府の「警告」を受けたことで話題騒然、異例の大ヒット。世界中の“男嫌い”たちが愛読する、フランス発のフェミニズムエッセイ。 ツイッターで発売を知って即購入。家父長制やそれにのっかる&気づいていない「男」は嫌いに決まってますよね、と1000回うなずきながら一気読みしました。面白かった……。本ってやっぱりすごい、と思った一冊です(店主S)。 帯後ろに汚れあり
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新本『美は乱調にあり』瀬戸内 寂聴著
¥1,188
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「美はただ乱調にある。諧調は偽りである。」(大杉栄)。 瀬戸内寂聴の代表作にして、伊藤野枝を世に知らしめた伝記小説の傑作が、文庫版で蘇る。 店主Sがフェミニズムを知ったのは、同じ著者による『青踏』を高校生の時に読んだのがきっかけでした。『青踏』を読んで、いちばんうっとおしい……と思ったのは伊藤野枝。自我が強い、周りの迷惑を考えずに思った道を突進する、当然の結果としてたくさんの人を傷つける……。 のですが、いちばん魅かれてその生涯を追いたくなったのもまた野枝だったのです。おそらく最初に「嫌」と思ったのは同族嫌悪的なところもあったのかなと今は思います。私も猪突猛進、周りの迷惑をかえりみない、挙句の果てにたくさんの人を傷つけてきました。もちろん自分もケガだらけ、あざだらけではあるのですが……。 そして自分にはなく野枝にはあったもの、それは社会を変えようとするとてつもない行動力。「畳の上では死ねないと覚悟している」ってかっこよすぎませんか。 自らの予測通り畳の上では死ねず、関東大震災の混乱の中で憲兵隊に殺害されてから今年で100年。伊藤野枝について知りたいという人にぴったりの本です。類書はほかにもたくさんありますが、野枝の娘たちに直接会っていたり、甘粕大尉を直接知る人に話を聞いたりしているこの本が、店主Sにはいちばん面白かったです。 続編『諧調は偽りなり』もKanin実店舗にありますのでぜひ(愛読しすぎてボロボロなので50円です)。 古本で仕入れるとすぐなくなってしまっていたこちら。このたび新本を入荷しました。続編の『諧調は偽りなり』とあわせてお読みください。
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『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳 筑摩書房
¥500
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韓国で異例の大ベストセラーとなり、38の国・地域で翻訳され、映画化もされた小説ですが、キム・ジヨン氏という1人の患者のカルテという形態を取っており、淡々とした文体の中に統計数値や歴史的背景も盛り込まれていてまるでルポタージュのような問題提起の書です。 全189ページ
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『布団の中から蜂起せよ』高島鈴著
¥1,000
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家父長制、資本主義、天皇制に抗して、あらゆる生存のためになにができるのか、なにが言えるのか。ライター高島鈴の初エッセイ集。
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新刊『射精責任』 ガブリエル・ブレア著 村井理子訳 太田出版
¥2,200
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2023年夏の必読書であると同時に、普遍的なことが簡潔に書かれているがゆえに永く読まれて行くべき本だね、という話を先日しました。気になっている方、ぜひ。(店主©︎) 読んでいると若い時に悔しい思いをした記憶が蘇ってきて「辛っ!」と思いましたが、おそらく奴らはこの本を読まないと思うので、今後のために、せめて子にはしつこく言って聞かせようと思います。「コンドーム使え!」(店主S) ..... 全米騒然 ニューヨークタイムズ・ベストセラー 世界9カ国で翻訳 刊行前からSNSで話題沸騰! 望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。 女性の50倍の生殖能力を持ち、 コンドームを着用したセックスは気持ち良くないという偏見に囚われ、 あらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が、 無責任な射精をしたときのみ起きる。 望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す28個の提言。 「セックスをする人、セックスをしたい人、あるいは将来セックスをするかもしれない人を育てている人にとって、必読の書」(ワシントン・ポスト紙)(太田出版 内容紹介より) 全216ページ
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新刊『言葉の地層』太田明日香著
¥1,980
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『愛と家事』著者の太田明日香さんが、2015年から2017年までのカナダ暮らしを描いたもの。英語のしゃべれない主婦として移民し、地元の英語教室に通ったり、八百屋でアルバイトしたりするなかで、日本語教師を目指そうとするまでを描いています。 人は言葉とともに生きていきます。 その厚みは人生とともに変わりゆきます。 これから私はどんな言葉の地層を積み上げ、 どんな声を生み出すのでしょうか。 (『言葉の地層』本文173ページより) 目次 まえがき 一章 二〇一五年春 国境を越える あいさつ 宙ぶらりん 無気力 きゅうりを買う 話せない 言葉の鎧 私の声 二章 二〇一五年夏 言葉でつまづく 巡り合わせ よそ者という意識 東アジアの一員 マイノリティであること 言葉は音から 三章 二〇一五年秋〜冬 身近な世界史 多様性と居心地のよさ 読めない標識 第三の居場所 クリスマス明けの電話 四章 二〇一六年冬〜夏 霧の日 小さな一歩 春の訪れ 英語がペラペラ 呼びかける 楽しんで働く 私の居場所 五章 二〇一六夏〜秋 いくつもの言語の響きのなかで リンガフランカ(ルビ:共通語)としての英語 言葉は体験で覚えるもの 日本語学習者との出会い 日本語の外で 移民の子どもたち 名前を知って 言葉と居場所 誰かの居場所 六章 二〇一六年冬〜現在 メイクアメリカグレートアゲイン いつ帰れるんだろう 二〇一六年の大晦日 landing(ルビ:着陸) 他人ごととは思えない 言葉の地層 おわりに 参考資料 176ページ、四六判 白黒、カバーのみカラー
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新刊『るるるるんvol.4 ー付箋ー』
¥1,430
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住む場所も年齢も仕事も境遇も特に共通点のない三人が、「お題」をもとに小説を書く文芸ユニットるるるるん。 vol.4のお題は「付箋」。 ひとつの言葉から発想し、三者三様の世界観をもった小説がどれもすごく面白いです。 旅行記「るるるるんは旅をする でも友達ではない」で描かれる三人の関係性に独特のシスターフッドを感じました。 唐澤龍彦さんの表紙や装丁も美しい、持っていて嬉しくなる一冊。(店主©︎) 2023年3月21日発行 四六判 全123ページ
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新本『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』クリステン・R・ゴドシー 著、高橋璃子訳
¥2,090
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旧東側の女性は西側の女性に比べセックスの満足度が高かった!? 世界的な潮流となっている新たな社会主義の模索で、女性はより幸福に生きられる。時代の閉塞感を打破するパワフルな一冊。 セックスと資本主義になんの関係があるんかいな……と思いますよね? 店主Sも読む前はそう思っていたのですが、大ありでした。 資本主義の社会では、「お金をたくさんもっている」強者が、「お金をもっていない」弱者より圧倒的に力を持ちます。それはセックスにおいてもしかりなのです。そして往々にして、女性は男性より賃金が低い社会的弱者であり、セックスを提供することで生活を保障してもらったりもしている。「夫のことは大嫌いだけど、生活のことを考えると離婚できない」という人、周りにたくさんいませんか……? そういえば小倉千加子さんも「結婚とは『カネ』と『カオ』の交換」って言ってたよ……! この本ではセックスや恋愛に「金」が関係なくなるとどうなるかも書かれていますし、「資本主義しかない、この道しかないのだと政治家たちは繰り返す――しかし、それは嘘です。」ということもしっかり書かれています。店主Sは正直「もうお褥すべり。一生しなくていい」と思っているのですが、そう考えている人にもおすすめの1冊です。 そしていちばん大事なこと=経済的自立! そのためには、男女の賃金格差、正規と非正規の賃金格差、政治がお粗末な故に賃金が上がらないこの社会に異を唱えていかねばなりません!
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『99%のためのフェミニズム宣言』シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナンシー・フレイザー著
¥1,100
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1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。 「TED」でシェリル・サンドバーグの講演を聞き、そして『リーン・イン』を読んだ当初、実は店主S「そうだそうだ! 女もテーブルにつこう! どんどん出世しよう!」と思っていました。東京で正社員・子なし・海外出張も時々したりする人生を送っているうちに「人生が思うようにいかないのは頑張らないせい」という、よくある考え方に染まってしまっていたのです。 それを「ちょっと待てよ……」と思い始めたのは、子を産み時短勤務の契約社員になってから。そもそも「リーン・イン」できない立場の人もたくさんいるよ! 「リーン・イン」するためにはいろいろなことを外注せざるを得ないけど、自分の時給より高い外注なんてできないよ、そして安い時給の人にいろんなことを外注して、自分が「リーン・イン」するのも間違ってないか? 別に巨万の富も社会的地位もいらない、普通に仕事したら普通に生活できるだけの給料をくれ……。なぜ子を産んだとたんに配偶者に寄生する生活に転落しないといけないんだ? と思うようになったのです。 というわけで、この本はうんうんうん! と首がちぎれるほどうなずきながら読みました。反資本主義というと「社会主義/共産主義ひいては独裁政治を支持するのか?」と思われがちなのですが、この本を読めば「資本主義は本物の民主主義や平和と両立しない」ということが分かるはずです。 帯に汚れあり
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『紫式部の欲望』酒井順子著
¥700
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秘密をばらしたい、専業主婦になりたい、待っていてほしい……『源氏物語』は、紫式部の「欲望」を叶えるためのものだった!? 古典がぐっと身近になる、まったく新しい『源氏物語』解説書。 平安がテーマの著作も多い酒井順子さんが源氏物語についてポップに解説。その読みやすさ、面白さはさすがです。源氏物語を読んだことがあれば「そうそう!」と膝を打ちたくなりますし、読んだことがなくても「そうなんだー」と思えるはず(たぶん)。装丁も美しく、本棚にあるとムフフとうれしくなってしまいます。 (ここからは蛇足)そして紫式部の恐ろしさをつくづく感じた店主S。どちらかというと自分は清少納言(&定子)に肩入れしてしまうということもあり、「こええええ! 同時代に生きてたら、絶対日記にけっちょんけちょんに書かれるか、源氏物語の中に笑い者キャラとして書かれていたに違いない」と肝が冷えました。いやしかし、腹に万物くらいもっていないと、源氏物語なんて書けませんよね……。
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『空の名前』高橋 健司著
¥1,000
鱗雲、朧雲、鯖雲、雲の澪。気象現象である雲を表す日本語は、こんなにも豊か。空を見つめ、空を撮り続けた写真家が、雲や空、気象にまつわる言葉に写真約300点を添えた、永久保存版フォトミュージアム。 このシリーズを知ったのは、中学校時代の同級生で店主Ⓒとも共通の友人から誕生日に『色の名前』をもらったことがきっかけ。『空の名前』も『色の名前』同様に、美しい写真、美しいデザインと文字フォント、雅やかな名前にうっとりします。 初版が出たのはなんと1999年。それ以来ずっと売れ続けているロングセラーです。(店主S)
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新本『女の子たちと公的機関 ロシアのフェミニストが目覚めるとき』 ダリア・セレンコ 著 クセニヤ・チャルィエワ 絵 高柳聡子 訳
¥2,200
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「親愛なる女の子たち、私たちには決死のストライキが必要だよ。 生きていることが耐えがたくなったよ」 プーチン政権下で「国の道具」にされてきた 非正規雇用の〈女の子〉たちが覚醒する。 ウクライナ侵攻前夜に書かれた、フェミニスト誕生小説 ロシアの作家でフェミニスト、反戦活動家であるダリア・セレンコが描く、プーチン政権下の「公的機関」で働く女の子たちの物語。国にとっては安上がりな道具に過ぎないけれど、私たちがいなければこの国は動かないのでは? 国家と社会の歪みを、日々、身体で受け止めていた彼女たちは、ついにその理不尽さに気づき……。 反戦活動による政権からの弾圧を経て、現在出国中の著者による「日本語版のためのまえがき」掲載 (エトセトラブックス 内容紹介より) 2023年2月24日発売 全128ページ(挿絵:カラー)
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新本『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』 イ・ミンギョン著 すんみ/小山内園子訳
¥1,870
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いまから学んでも遅くはない。 一日でも早く、あなたと、新しいことばで、話がしたい イ・ラン(ミュージシャン、映像作家) あなたには、自分を守る義務がある。自分を守ることは、口をひらき、声を上げることからはじまる- 2016年にソウル・江南駅で起きた女性刺殺事件をきっかけに、韓国社会で可視化され始めた女性嫌悪、性差別の問題。本書は差別問題を語る時、女性にこれ以上の苦痛や我慢を強いることを防ぐべく企画された日常会話のマニュアル書です。 著者は外国語大学で通訳・翻訳を学ぶ、韓国のフェミニスト。江南駅殺人事件を風化させないために9日間で書き上げ、SNSで仲間を集い、出版社を立ち上げて本書を発行、韓国フェミニズムムーブメントの勢いを表す話題の本です。日本でもジェンダー関連のニュースが絶えないなか、フェミニズムテーマの小説、翻訳書の刊行が続いており、これまでになく女性問題への関心が高まっている今、お隣の国、韓国の状況にもぜひご注目ください。 (タバブックス 内容紹介より) 2018年12月発売 全228ページ
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『エトセトラ VOL.9 特集:NO MORE 女人禁制! 伊藤春奈(花束書房) 特集編集』
¥1,200
「女人禁制」は、もういらない! マイノリティへの差別・排除と深くつながる 「女人禁制」の歴史を探りながら、 国や家父長制が追い出してきたものはなにか、 その底にあるのはなにかを知る特集号。 昔から、宗教や伝統のかたちを借りて、特定の職業や場所、集団に女性を入れない仕組みをつくってきた国、日本。21世紀になっても、大相撲、甲子園、古典芸能、山、プロの厨房、祭りなどなど、多くの場に「女人禁制」文化が残っています。フェミマガジン9号目は、女性史を中心としたライター・編集者の伊藤春奈をゲスト編集長に、多様な書き手や語り手が集まり、この問題を考えます。 エッセイ、インタビュー、読者投稿、漫画、いまだ「女性」が登れない「大峰山」への質問も! 誰かをどこかに「入れない」システムはもう終わりにしよう。(エトセトラブックス 内容紹介より) 刊行日 2023年5月26日 全144ページ
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新本『覚醒せよ、セイレーン』 ニナ・マグロクリン著 小澤身和子訳
¥3,300
メドゥーサ、ダプネ、セイレーン。 神々に蹂躙される女たちが、いま自分の声で語りはじめる。 海神ネプトゥーヌスに襲われ、襲われた罰を受けて人を石にする蛇の髪をまとうメドゥーサ、ユピテルに狙われたことが引き金となっておおぐま座にされたカリスト、愛する夫の死を悲しんで海に身を投げ、カワセミになったアルキュオネ、いなくなってしまった友達を探すために翼を得て歌い、その歌に男たちが引き寄せられるようになってしまったセイレーンたち……。 オイディウスによるラテン語文学の最高峰『変身物語』からこぼれ落ちた女性たちの声をすくいあげ、燃える怒りと深い悲しみ、そして生き延びるための願いをこめて語り直す、注目の短篇集。(左右社 内容紹介より) 刊行日 2023年05月30日 全368ページ
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『日刊 イ・スラ』 イ・スラ著 原田里美/宮里綾羽訳 朝日出版社
¥900
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毎日一本、文章をメールで送る「セルフ連載プロジェクト」日刊 イ・スラ。韓国の独立書店で大きな反響を呼んだ2冊のベストセラーから、41編の文章を厳選した、日本オリジナル版。 『当時27歳のイ・スラは、学資ローン返済のために「文学を直売」し始めた。』 そんなある意味奇抜な紹介文ですが、読み始めると軽やかな文体に引き込まれ、イ・スラのことが大好きになってしまいました。 まわりの人や物事に対する彼女の目線、世界の見かたは、とても独特で正確で愛にあふれています。一編一編が忘れられないほど濃くて多彩な文章たちです。(店主©︎) 全286ページ 裏表紙に若干のスレあり
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『家族の哲学』 坂口恭平著 毎日新聞出版
¥700
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10年ちょっと前から、店主©︎にとって「すごく気になる人」上位を常にキープしている坂口恭平さんの半自伝とも言うべき小説。 躁鬱病を、現在はうまく乗りこなしている坂口さんですが、この小説を書いた2015年当時はTwitterを見ていても明らかなくらい躁と鬱を行き来しているようでした。表立った活動からはわからない鬱期の心象風景をどん底から綴ったこの作品は壮絶。そんな中、絶望をまったく感じさせない妻のフーさんの言動には感動すら覚えてしまうこと必至です。 全256ページ 状態良好
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『魔女 女性たちの不屈の力』 モナ・ショレ著 いぶきけい訳 図書刊行会
¥1,200
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ルネサンス期ヨーロッパで魔女として告発された女性たちはいったい何者だったのか? 暗黒時代に目をつけられ、抑圧され、排除された女性のタイプとはどのようなものだったのか? その歴史の検証とともに、魔女の特徴をとりあげ、ステレオタイプのイメージなど、現代社会に残る影響について考察する。 店主©、なぜか幼い頃から魔女、魔法使いに惹かれる子どもでした。そして現在、バツイチ独身子なしアラフィフ、ひとり暮らしのフェミニスト。 世が世なら疎まれて魔女裁判にかけられてもおかしくなかったかもしれない…? 火あぶりにされなくて良かったとは思うけど、依然家父長制で統率された社会に生きていると、 日々思わぬ方向から飛んでくる火の粉でやけどすることは正直多いです。 行動的な女性の背後には悪魔が隠れていて、その為に女性たちは滅ぼすべき脅威と見なされてきた。その悪魔とは「自立」ではないのか?魔女の歴史は自立の歴史。店主©︎はこれからも魔女として生きていきたいし、他の多くの魔女たちと連帯していきたいなと思っています。 全319ページ 状態良好
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『望郷』森瑤子著
¥400
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英国に生まれ育ったリタ。初恋の人を失い、失意の底にいた彼女はモルトウイスキーの製法を学びにきた竹鶴政孝と運命的に出逢う。極東の日本で政孝の生涯を献身的に支え続けたリタの心のよりどころとは――。 数年前、朝ドラ『マッサン』が放映されていました。店主Sはリアルタイムでは見ていなかったのですが、自分も当時国際結婚をしていたこともあり、興味を持っていました。そして見つけたのが、森瑤子さんによるマッサンの妻、リタの伝記『望郷』です。 ウィスキー作りに情熱を燃やす夫、マッサン(=家にあまりいない)に従い、助け、日本をあちこち転居するリタ。家族とは遠く離れ(るどころか結婚を反対されている)、養女とはうまくいかず、戦争中には「鬼畜米英」として嫌な目に遭い、本当につらかったと思います。はっきりとは書かれていませんが、アルコール問題を抱えていたらしいことも示唆されています。 物語の終盤、明るい兆しを見せるところで終わっているのが救いですが、リタ、つらかったよね、大変だったよね、と店主Sは涙してしまいました。そして自分が元夫をリタとまったく同じ立場に置いたことを思い、猛烈に(ではないな、ちょっぴり)反省しました……。 日焼けあり 角川文庫
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『ぼそぼそ声のフェミニズム』栗田隆子著
¥800
SOLD OUT
就活・婚活、非正規雇用、貧困、ハラスメント、#MeToo……現在の社会が見ないようにしてきた問題を、さらには、それと闘うはずのフェミニズム理論や社会運動からすらこぼれ落ちてきたものを拾い集めて、つぶやき続ける――〈私〉が、そして〈あなた〉が「なかったこと」にされないために。「弱さ」と共にある、これからのフェミニズムのかたち。 フェミニズムとの出会いから、労働運動でのできごと、#MeTooへの違和感など、栗田さんがさまざまな場所で発表してきた文章をまとめた本。店主Sと同時代に生きてきた人のエッセイなので、共感する部分がたくさんありました。 店主Sも「自立」「自己責任」を声高に叫ぶ今の風潮が怖いです。たまたま教育に理解がある家庭に生まれ、たまたま大学も好きなところに行かせてくれ、たまたま仕送りもあって、たまたま仕事にも(今は)恵まれているけれど、それがどんなきっかけでいつなくなり、生活が瓦解するかは分からない。そんなとき「助けて」といえる社会であってほしいしと思いますし、そんな社会をつくるために小さな努力を続けていきたいと思います。 状態良好